紫式部 源氏物語誰でも簡単に読めるシリーズ 10

四十六帖 椎本(しいがもと)

二月二十日過ぎ、薫から宇治の姫君の話を聞き、興味を持った匂の宮が宇治を訪れ、薫と供に管弦の遊びを催す。匂の宮からの手紙に八の宮は中の君に返事を書かせる。七月、死期が近いことを悟った八の宮は再び薫に姫君たちの後見を頼む。

姫君たちに軽率な結婚への訓戒を残し、八の宮はこの世を去る。薫や匂の宮から文が届けられるが、父の遺言を守り、姫君たちは固く心を閉ざす。

冬、薫は大君に恋情を訴えるが、大君は取り合わない。

翌春、匂の宮はかねてからあった夕霧の娘との縁談にまったく興味を見せず、薫に八の宮の娘との仲介を頼む。夏、薫は喪服姿の姫君たちを垣間見る。

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四十七帖 総角(あげまき)

八月、八の宮の一周忌のため宇治を訪れた薫は、大君に恋心を訴える。大君はそれを強く拒み、薫は空しく一夜を過ごす。大君は自分が後見となって、中の君を薫に嫁がせたいと考え、弁を通じて薫に伝える。大君を忘れられない薫は、弁の手引きで大君の寝所に忍び入るが、気配を察した大君は中の君を残して身をかわす。薫は中の君と夜を徹して語り合う。

薫は自分が大君と結ばれるには、匂の宮と中の君を結婚させるしかないと考え、実行に移す。結婚後、匂の宮は母、明石の中宮にいさめられ、宇治から足が遠のく。さらに夕霧の六の君と匂の宮との縁談話を聞き、大君はますます絶望する。

十一月、病に伏せがちな大君は阿闍梨から父、八の宮が成仏できずに苦しんでいるという夢を見たと聞く。自責の念から重体に陥った大君は薫に看取られながらこの世を去る。匂の宮は母の許しを得て、中の君を京に引き取る準備をする。

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四十八帖 早蕨(さわらび)

中の君が未だ悲嘆に暮れる中、宇治に春が訪れた。匂の宮は二月初旬に中の君を京へ迎えることにする。宇治を離れがたく思い悩む中の君に、薫は細やかな配慮を見せるが、心の中では匂の宮に中の君を譲ったことを悔いていた。中の君は、出家をしひとり宇治に残る弁と別れを惜しみ、後悔しつつも上京する。

匂の宮は薫の悔いを知り警戒する。中の君はそんな薫、匂の宮の心持ちを煩わしく思う。

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浮舟登場!

四十九帖 宿木(やどりぎ)

帝は女二の宮を薫に嫁がせたいと考える。それを知った夕霧は匂の宮と六の君の縁談を進める。中の君は匂の宮の縁談話を聞き、父の遺言に背き、宇治を離れたことを後悔する。

はじめ匂の宮は縁談に乗り気でなかったが、次第に六の君に惹かれ、中の君とは疎遠になっていく。薫は苦悩を深める中の君の袖をとらえるが、中の君の懐妊を知り、思いを留める。中の君に移った残り香から匂の宮は疑惑を抱き、嫉妬心から再び中の君に執心する。

薫の思いを煩わしく思う中の君は、大君に似る異母妹(浮舟)の存在を明かす。年が明けて中の君は男子を出産。薫は女二の宮と結婚する。四月、宇治に赴いた薫は浮舟を垣間見る。

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五十帖 東屋(あずまや)

浮舟の母(中将の君)は薫の思いを知るが、身分の差を考え、浮舟を左近少将に嫁がせようとする。財産目当ての左近少将は浮舟が父?常陸介の実子でないと知ると、話を一方的に破断する。中将の君は中の君に浮舟の後見を頼み、薫との縁を願う。

匂の宮は邸に帰ると、誰とは知らぬまま浮舟に言い寄る。中将の君は、事なきを得た浮舟を三条に移す。

九月、浮舟が三条にいると知った薫は、浮舟と会い契りを結ぶ。翌日、薫は浮舟と連れ立って宇治に向かう。

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