ボジョレーヌーヴォーの解禁日はいつ? 解禁日に決まった理由とは?

ボジョレーヌーヴォーの解禁日はいつ? その日が解禁日に決まった理由は?

出典 : TnkImages / Shutterstock.com

ボジョレーヌーヴォーとは、フランスのボジョレー地区でその年に収穫されたブドウから造られる新酒ワインのこと。「ボジョレーヌーボー」「ボージョレヌーヴォー」などとも表記されます。今回は、ボジョレーヌーヴォーの解禁日にまつわる話やおいしく味わうポイント、おすすめの銘柄などを紹介します。

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ボジョレーヌーヴォーの解禁日はどのようにして決められたのでしょうか。くわしくみていきます。

ボジョレーヌーヴォーとは?

ボジョレーヌーヴォー

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ボジョレーヌーヴォーの「ボジョレー」は、フランス・ブルゴーニュ南部にあるボジョレーという地名のことで、「ヌーヴォー」は「新しい」という意味のフランス語。つまり、ボジョレーヌーヴォーとは、フランスのボジョレー地区で造られた新酒のワインのこと。
厳密には、以下の3つのポイントを満たしたワインを指します。

◇フランス・ブルゴーニュ地方ボジョレー地区で造られている
◇その年に収穫したブドウで醸造された新酒である
◇ボジョレー地区産の黒ブドウ「ガメイ(Gamay)種」を100%使用した赤ワインであること

新酒は世界各地で造られていますが、「ボジョレーヌーヴォー」と呼ばれるのは、この3つの条件を満たしているワインに限られます。

ボジョレーヌーヴォーはもともと、秋の収穫祭で振る舞われた地酒で、ボジョレーヌーヴォーとして正式に販売されるようになったのは、1951年のことです。

当時は軍用ワインの供給が優先されていたため、ワインの販売スケジュールはフランス政府によって管理されていて、この年は12月15日までは出荷制限がかけられていました。これに対して、ボジョレーの生産者協会がボジョレーの新酒を早く販売したいという申請を出し、同年11月にフランス政府の許可が得られます。晴れてボジョレーヌーヴォーの出荷が正式に認められたのです。

以来、地元からパリへ、パリから欧州諸国へと広まり、1985年にはついに日本へと上陸を果たしました。

ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜日

出荷待ちのワイン

Shyripa Alexandr / Shutterstock.com

ボジョレーヌーヴォーの解禁日は毎年、11月の第3木曜日午前0時と決まっています。なぜ、このルールになったのか、その経緯を振り返ってみましょう。

ボジョレーヌーヴォーの解禁日が11月第3木曜日に決まった理由

最初にボジョレーヌーヴォーの解禁日が決められたのは、1967年のことです。この年にフランス政府によって正式に制定されるまで、解禁日というのはとくに設けられていませんでした。そのため、どこよりも早く販売しようとワイナリー間で競争が生まれ、結果的に質の悪いワインが出回ってしまう事態に。

こうした早出し競争によるボジョレーヌーヴォーの品質低下を防ぐため、1967年にフランス政府により解禁日が定められました。

以前の解禁日は11月11日や15日といったように日付で定められていましたが、この日が休日や祝日に当たると運搬業が休業してしまうため、1985年に「11月の第3木曜日」に改定されました。

ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜日

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ボジョレーヌーヴォーだけじゃない! 11月は世界中のワインの新酒が解禁になる月

解禁日が決められているのはボジョレーヌーヴォーだけかいうと、じつはほかにも解禁日が決められている新酒のワインは世界中にたくさんあります。たとえば、イタリアの「ノヴェッロ」の解禁日は10月30日。こちらはイタリア全土で造られている新酒のワインです。

11月に入ると、1日はドイツの「デア・ノイエ」の解禁日。新酒としては赤に白、味も甘口から辛口までさまざまなワインがありますが、ドイツの冷涼な気候を活かした白ワインがおすすめです。11月3日は「山梨ヌーヴォー」の解禁日。山梨でその年に収穫されたブドウで醸造された甲州(白ワイン)とマスカット・ベーリーA(赤ワイン)の新酒が解禁になります。

11日には、オーストリアで「今年の」を意味する「ホイリゲ」が解禁日を迎えます。スペインの「ヴィノ ヌエボ」もこの日が解禁日で、さらにハンガリーやスロヴェニアでも収穫祭を迎え、現地では毎年、新酒のワインがたのしまれています。

ボジョレーヌーヴォーを解禁日に味わうには?

ボジョレーヌーヴォーをボトルから注ぐ

Day Of Victory Studio / Shutterstock.com

毎年11月になると、ボジョレーヌーヴォーの解禁日に向けて、ワインのイベントムードが盛り上がりを見せてきます。日付変更線の関係で、日本はフランスよりも約8時間早くボジョレーヌーヴォーが解禁されるため、バブル景気と相まって一時期は大ブームとなりました。

ブームが一段落したあとも、ボジョレーヌーヴォーの解禁日は年に一度のイベントとして定着しています。せっかく先進国のなかではどこの国よりも早く飲めるのだから、解禁日にたのしみたいものですよね。

一番てっとり早いのは、解禁と同時にワインバーなどで飲むことです。ボジョレーヌーヴォーを取り扱っていて、深夜営業をしているお店では、午前0時の解禁と同時に提供してくれるケースも。お店でのイベントとして、ワイン好きの人たちとともに盛り上がるのもよいでしょう。

ボジョレーヌーヴォーを自宅で味わいたい人には、ワインショップで事前予約をしておくという方法もあります。お店が近くなら、開店と同時に受け取りに行くとよいでしょう。深夜営業の酒販店のなかには、0時を回った瞬間に購入できるケースも。店舗に取りに行けない場合は、配送を手配しておくのも一手です。早く飲みたい人は、解禁日の午前中着に時間指定しておくといいかもしれないですね。

ボジョレーヌーヴォーをおいしく味わうポイント

ボジョレーヌーヴォーをおいしくたのしむ

jazz3311 / Shutterstock.com

ボジョレーヌーヴォーは8月から9月に収穫したブドウを原料に造られ、通常10月にはワイナリーから出荷されます。そのため、ふつうのワインとは違う製法で造られています。

通常は発酵前にブドウを破砕しますが、ボジョレーヌーヴォーの場合は収穫したてのブドウを房のままタンクにいれて発酵させます。そのため、ブドウの自重で果汁が流れ出ることで自然に発酵が始まり、炭酸ガスが生じます。これによって酸化が抑制されるため、渋味の少ないフルーティーな味わいのワインに仕上がります。

ボジョレーヌーヴォーのフレッシュな味わいをたのしむためには、10〜12度程度に冷やして飲むのがおすすめ。水を張ったワインクーラーに氷を少し浮かべて10分ほど置くと、ちょうど飲みごろの温度になります。

ボジョレーヌーヴォーのブドウ品種「ガメイ種」は、豊かな果実味と柔らかな酸味が特徴。合う料理も多く、ペアリングのしやすさも魅力です。定番のチーズやトマトソースの料理はもちろん、肉じゃがや焼き鳥などの和食にも合うので、こちらもぜひ試してみてください。

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ボジョレーヌーヴォーのおすすめ3銘柄

ボジョレーヌーヴォーをお取り寄せ

Joaquin Corbalan P / Shutterstock.com

数多くあるボジョレーヌーヴォーのなかでも、2022年に注目を集めた銘柄をセレクトしてみました。

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー(サントリー)

ジョルジュ・デュブッフ ボジョレーヌーヴォー2023

画像提供:サントリー株式会社

ジョルジュ デュブッフ社のボジョレー ヌーヴォーは、その華やかでチャーミングな香りと味わいにより世界中のワイン愛好家を魅了しています。

創業者のジョルジュ デュブッフ氏は、ボジョレーの帝王と呼ばれ、地元ボジョレーのワインを世界に広めるべく、ボジョレーヌーヴォーをイベント化し、世界に広めた立て役者としても知られています

輸入販売元:サントリー株式会社
公式サイトはこちら

アンリ・フェッシ ボージョレ・ヌーヴォ(アサヒビール)

アンリ・フェッシ・ボージョレ・ヌーヴォ

画像提供:アサヒグループジャパン株式会社

アンリ・フェッシは1888年に創業して以来、手摘み収穫と伝統的な醸造方法によって、上質なボジョレーワインを造り続けている生産者です。
アンリ・フェッシ・ボージョレ・ヌーヴォは、ストロベリーのいきいきとしたアロマが印象的で、豊かな果実味とやさしい口当たりをたのしめます。

輸入販売元:アサヒビール
公式サイトはこちら

アルベール・ビショー ボージョレ・ヌーヴォー(メルシャン)

アルベール・ビショー ボージョレ・ヌーヴォー 2023

画像提供:キリンホールディングス株式会社

アルベール・ビショーは、「IWCワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」の白ワイン・赤ワイン各部門で世界で唯一3度受賞したブルゴーニュの名門ワイナリー。ボージョレ・ヌーヴォー唯一の公式コンクール「トロフィー・リヨン・ボージョレ・ヌーヴォー2010」では2010年ヴィンテージが大金賞に輝いています。
2023年は飲み切りやすく環境に配慮した500mlペットボトルを採用しています。

輸入販売元:メルシャン株式会社
公式サイトはこちら

ボジョレーヌーヴォーは、今や一般的にも広く知られるようになりました。日ごろワインをあまり飲まない人にとっても、フルーティーで飲みやすいのがボジョレーヌーヴォーの特徴です。年に一度のイベントとして、11月の解禁日にたのしんでみてはいかがでしょうか。

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