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懐かしい? 新しい? ご当地お雑煮レシピをご紹介
懐かしい? 新しい? ご当地お雑煮レシピをご紹介
同じ名前がつきながら、所変われば中身が全く変わってしまう不思議な伝統料理、“お雑煮”。
故郷の味もいいけれど、お正月のお餅ラッシュで飽きてきたら、全国のお雑煮を楽しんでみてはいかが? 今回は、2つの個性的な“ご当地お雑煮”をご紹介します。
●じぇじぇじぇ! お餅をつけダレで!? 岩手・くるみだれ雑煮
TVドラマ『あまちゃん』の舞台となった北三陸地方。実はこの地域、とっても変わったお雑煮文化があるんです。それは、お雑煮の中のお餅を別皿に用意した“くるみだれ”につけて食べるというもの。
くるみだれは、すりつぶしたくるみに砂糖などを混ぜた甘~いタレです。岩手は伝統的にくるみを使った料理が盛んで、「コクがあっておいしい味」を意味する「くるみ味」という言葉もあるそう。おいしさの代名詞になるなんて、岩手の人々のくるみへの深い愛がうかがえますね。
■くるみだれのお雑煮
<材料>(4人分)
・角餅 4個
A
・鶏もも肉 100g
・にんじん 1/2本程度
・大根 1/8本程度
・ごぼう 1/2本程度
・しめじ 1/2株程度
・油揚げ 1枚
・高野豆腐 1枚
・ローストくるみ 30g
B
・砂糖 大さじ3
・しょうゆ 大さじ1
・だし汁 適量
C
・煮干しのだし汁 5カップ
・しょうゆ 大さじ2
・塩 少々
・いくら 大さじ4
・せり 適量
<作り方>
1 高野豆腐は水につけて戻し、一口大に切る。油抜きした油揚げを短冊切りにする。
2 鶏肉、大根、にんじんは5cmの長さの細切りにし、ごぼうはささがきにする。しめじは石づきを取り、適当な大きさに裂く。
3 鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したらAの具材を入れる。アクを取りながら10分程度煮て、具材に火が通ったら、Cのしょうゆ、塩で味を整える。
4 くるみの薄皮をむき、すり鉢やフードプロセッサーですりつぶす。Bの砂糖、しょうゆを加えて混ぜ、だし汁を加えてとろりとするまでのばす。これでくるみだれの完成。
5 焼いたお餅をお椀に入れ、3で作った汁と具材をかける。仕上げにいくら大さじ1と、3cmの長さに切ったせりをのせる。
6 お餅をくるみだれにつけながらいただく。
甘く香ばしいくるみだれは、どこか懐かしい味。やさしい薄味のお雑煮に、いいアクセントになります。一見、作るのが面倒そうですが、ローストしたくるみは柔らかく、すりつぶすのもそう手間ではありませんよ。
●お餅を食べると中にはなんと…! 香川のあん餅雑煮
次にご紹介するのは、香川県のお雑煮。白みそ仕立てのお汁に、なんとあんこ入りのお餅が入ります。白みそと言えば京料理のイメージですが、それもそのはず、この白みそ文化は、平安時代にこの地に流されてきた崇徳上皇によって伝わったものと言われているそう。
そこに、特産品である砂糖を使ったあんこ餅を入れ、ハレの日の料理となったようですね。
■あん入り餅のお雑煮
<材料>(4人分)
・あん入り餅 4個
・金時にんじん 1/2本
・大根 1/8本
・煮干しのだし汁 5カップ
・白みそ 100g程度
・青のり 少々
<作り方>
1 大根、にんじんは皮をむいて5mm程度の輪切りにする。
2 煮干しだしに大根、にんじんを入れて煮る。
3 大根、にんじんに火が通ったら餅を入れ、煮崩れに注意しながら、柔らかくなるまで煮る。
4 白みそをとき入れ、沸騰直前まで温める。
5 椀に盛り、仕上げに青のり少々をふりかけて完成。
驚きの組み合わせですが、食べてみると白みその上品な塩気と、あんこの甘さがくせになりそうです。金時にんじんの濃い赤と大根の白がおめでたい雰囲気を感じさせます。具材を輪切りにするのには、家庭円満の祈りが込められているのだそう。
香川以外の地方では、あん入り餅の入手が難しいかもしれませんが、通販を利用するか、自作しても。筆者は餅生地に粒あんを詰めて自作してみました!
その地方の文化がたっぷり詰まった“ご当地雑煮”。作って食べれば、おいしいだけでなく勉強にもなりますね。