「子供向け英語番組」は、中高生の文法学習にピッタリなのです!
もくじ
カタカナ英語を恥じるな!英語圏の人も「相当なまっている」
アメリカでも…方言はたくさんあるのですよ!東北弁や関西弁があるように!
日本人がスピーキングを苦手と感じるのは、「発音が悪いから」だと思っている人が多いです。たとえばitを発音するときに、「イット」と、最後の1文字に母音を入れてしまうのが日本人のくせです。
英語ではtは、息の音だけを発音しますが、どうしても日頃の日本語のくせが出やすいのです。これは当然のことです。
ドイツ人の英語はドイツ語の母音が日本語に近いせいもあって私には聞き取りやすい発音です。
スカンジナビアの人々の英語も聞き取りやすかったですが、フランス人の英語は鼻音の多いフランス語の影響でとても聞き取りにくかったです。
発音が悪いから通じないのだ、と思っているかもしれませんが、そうではありません。モジモジして、相手の顔を見てしっかり話さないから。
自分の意思をはっきり伝えられず、「できたらお願いします」「どちらでもいいです」などと優柔不断な態度だから。
スピーキング力というより、英語に対する自信のなさ、自己肯定感の低さが、英語を伝えにくくしているのです。
他の国でも、きれいな英語を話していないケースはたくさんあります。インド人のエリートなどは、「自分の母国語は英語」と思っている人もいますが、そういう人の英語はすごくなまっていてよく聞き取れません。
オーストラリア人の英語もかなり独特だということは有名です。I will go to the hospital today.(私は今日、病院へ行く)という場合、最後のtodayは「トゥダイ」と発音するのが常で、I will go to the hospital to die.(私は死ぬために病院へ行く)と聞こえてしまう。
フランス人の英語もラテン語風のイントネーションで、鼻にかかった発音なので、ますます聞き取りにくい。
アメリカ国内でも、日本に東北弁や関西弁があるように、各地に特有のなまりがあります。よくワシントンD.C.では、「国会議事堂であらゆる州の議員が演説しているが、その内容を全部聞き取れる人はひとりもいない」と言われています。発音はそういうものです。
日本人は、テレビに出てくるアメリカ人アナウンサーのような完璧な英語を目指します。けれど、あのように流ちょうに話せる人はそうそういません。
お笑いの人たちの英語のギャグを理解しようと思っても、うまく聞き取れないですし、きれいな発音をする人のほうが少ないと思ったほうがいい。
でも、あまり気にせず、みんな堂々としゃべっています。それでいいのです。
相手がわからなければ、もう一度聞き返してきますし、言い換えたり、「ああ、こういう発音ね」と正しい発音をしてくれたりして、少しずつスピーキング力を身につけていきます。
だから、こまかいことを考えずに、しゃべればいいんです。当然ですが、話さなければ話せるようになりません。
発音が悪くて相手に「もう一度お願いします」と言われても、ガッカリしないでゆっくり言い直せばいいのです。とにかく堂々としていれば、それだけで聞き取りやすい英語になっていきます。
また、相手に、「ああ、〇〇ね」と正しい発音をしてもらったら、臆せず「もう一度言ってください」とお願いして発音してもらい、自分もリピートして、その場で発音チェックをしてもらえば、英語が上達します。
英語を、「知的階級のものだ」「西洋人のものだ」「外国人とよく接する選ばれた人のためのものだ」と考えないことが、通じる英語をしゃべれるようになる第一歩です。
特に、アメリカは移民を受け入れてきた国なので、さまざまな発音のなまりが飛び交うのが当たり前です。
「きれいな英語を話せるようになってから」などと思う必要はないし、そんなことを言っていては、いつまで経っても話せません。まずは、声に出して話すこと。
これに尽きます。お子さんにもそう伝えて、とにかくどんどん話すように促してください。
大人の英語習得にも有効な絵本や歌を使った学習!
「英語はコツコツとやらないと身につかない」とよく言われます。それは真実であるけれど、人はがまんを重ねると、それがキライになります。
保護者のみなさんも子どもも、そうやって徐々に英語に対する苦手意識が生まれてきませんでしたか?
英語はできるだけ自然に、楽しく勉強したほうがいい。たとえば、小さなお子さんなら、英語の絵本を活用する。子どもは絵本が大好きだし、絵があれば英語がわからなくても話は追えます。
保護者が絵本を英語で読み聞かせても、絵で物語を理解できます。もう少し正確に英語の意味を理解させるなら、同じ絵本の日本語版も用意するとよいでしょう。
英語と日本語、両方を読むことで、英語の意味がわかるようになります。
我が家では、子どもたちが小さい頃は、『エルマーのぼうけん』という絵本の日本語版と英語版を用意し、日本語と英語の両方で読み聞かせをしていました。
英語版も日本語版も挿絵は同じものなので、特に文法や単語を教えたわけではないのですが、ふたりとも物語を理解し、目で見て音で聞く英語を、自然に覚えていきました。
歌が好きなら、英語の歌を歌うことをおすすめします。音源と歌詞を用意して、歌詞を見ながら歌ったり、歌詞を見ないで歌ったりを繰り返していると、だんだん歌詞がなじんできて、そのうち歌詞を見なくても歌えるようになります。
実は、絵本を英語と日本語で読む、英語の歌を歌うことは、子どもだけでなく、中高生や大人の英語習得にも非常に有効です。
絵本の場合は、自分の英語力に合わせたものを用意する。そして、まずは英語で読んでみましょう。
なんとなく物語がわかっていれば、英語がスイスイ読めて、やる気になります。ペーパーバックよりも絵がある分、ストーリーが理解しやすいので、多少難しい内容にレベルアップしても気軽に読めると思います。
うまく理解できない単語や熟語、語法が出てきたら、自分で調べながら読む。調べた語はノートに記録し、忘れないようにすると力がつきます。
英語がある程度読めて自信がついたら、今度は日本語で読み、英語と見比べる。日本語表現を英語にするとこうなるのだ、というのが目で見えます。
英訳と和訳の答えを確かめながら長文を読むのと同じです。
英語を歌で覚えることは、昔から多くの人が実践していました。ビートルズの歌を歌えるようになることで、英語を学んだ人はたくさんいます。歌の場合は、「歌う」ということで音読効果も大きい。
インターネットで探すと、英語の学習にふさわしい曲をすすめているサイトもありますし、歌で英語を覚えるアプリも紹介されています。
また、自分の好きな歌の題名を入れて検索をすれば、YouTubeで音源が出てきますし、同時に歌詞も調べることができます。
歌で英語を学ぶときも、絵本と同じで、日本語の歌詞と英語の歌詞を用意して歌うことが大事です。
一度英語で歌ってみてから日本語の歌詞と照らし合わせ、わからないところは調べて記録しましょう。そのときは、自分の好きな歌を、繰り返し歌うのがポイントです。
脳は、自分の興味のある情報に対しては「脳の伝達系脳番地」を非常によく働かせます。つまり、脳は「その情報を聞きたい、読みたい状態」のときに、もっとも学習効果が高くなるのです。
子どもが好きな流行の歌はスラングばかりで英語の習得に役立たないのでは?と思うかもしれませんが、案外そんなことはありません。
インターネットで英語習得におすすめの曲などは、文法もしっかりしています。TOEIC(R)などでも、ヒットした曲の歌詞を問題に出す場合もあるほどです。
絵本や歌を使う勉強法は、ぜひお子さんにすすめてください。必要な教材やアプリがあれば、買ってあげましょう。
歌は上手に歌えるようになったら「聞かせてよ」とリクエストしてみてください。発音よく上手に歌ったら拍手喝采です。
子供向け英語番組は、中高生の文法学習にピッタリ!
本や歌などもよいですが、今の子どもたちは動画で英語を学ぶのが得意です。我が家の息子たちの場合は、アメリカでも日本でも「セサミストリート」をよく観ていて、これで英語に親しみました。
ご存じの方も多いと思いますが、「セサミストリート」はアメリカ合衆国連邦政府の育児支援施策のひとつとして、1969年から親しまれているテレビ番組です。
アメリカには多様な国の多様な家族が住んでいます。子どもたちが、小学校就学時に、少なくともアルファベットや10までの数を数えられるように、と国をあげて育児支援を目的につくられた教育番組なのです。
ですから、文法や発音なども正しく、安心して子どもに与えられます。
また、著名な俳優や歌手、文化人などがゲスト出演し、「さまざまな分野の優れた人と出会い、一緒に学ぶこと」の大切さをアピールしています。
今は番組は放映されていませんが、英語版のDVDがまだ販売されていますし、YouTubeなどでも英語版が配信されています。
中学生、高校生でも、日本語なしで観る、あるいは字幕で観れば、よい英語の勉強になります。
少しやさしい教材は理解できる部分が多く安心して観られますし、定着にもよいので幼児向けの番組だからなどと思わずに繰り返し観せるとよいと思います。
この他、NHK・Eテレの「えいごであそぼwith Orton」「基礎英語0 世界エイゴミッション」なども、子ども向け番組ですが、中学生ぐらいでも「なるほど」と思うような内容が満載です。
NHKの番組はテキストがあったり、再放送やオンデマンドで繰り返し観られるので、忙しい中高生にもおすすめです。