「偏差値」とは何ですか?数字にどんな意味があるのですか?

「偏差値」とは何ですか?数字にどんな意味があるのですか?

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「偏差値」ってどんな意味がある数字なの?

偏差値を見ると何がわかる?

偏差値とは、テストを受けた集団の中で自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値です。

たとえば、英語と数学の得点がともに80点だったとしても、問題の難しさによって平均点は異なるので、どちらが良い結果だったのか判断がつきません。

偏差値とは、平均点を偏差値50になるように変換し、その基準からどれくらい高い(または低い)点数だったかを表したもので、自分の実力を相対的に把握できる便利な数値なのです。

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偏差値の平均・基準はどのくらい?最高はいくつ?

偏差値は50を基準として、平均からどれくらいの差があるかを表した数値です。
そのため自分の得点が平均点と同じであれば、偏差値は必ず50となります。

また、偏差値は、一般的なテストでは通常25-75の範囲に収まりますが、計算上は偏差値100以上や、0を下回りマイナスになる場合もあります。

100人が受けたテストで、99人が0点、1人だけが100点をとった場合、0点の人の偏差値は-49、100点を取った人の偏差値は149.5となります。

このような極端なケースは普通は考えられませんが、このような結果の場合偏差値そのものに価値がなく、自分に適したテストではないといえるでしょう。

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偏差値の見方とその割合

下記の表は、偏差値と順位の関係をまとめたものです。
偏差値75であれば上位0.62%に位置していて、受験者が1,000人であれば順位は6位前後。偏差値35であれば上位93.32%(下位6.68%)に位置していて、順位は933位前後ということがわかります。

偏差値のメリットは、点数や順位に左右されず、集団の中で自分の学力がどれくらいの位置にあるかを知ることができることなのです。

偏差値 最上位からの割合 1,000人中の順位
80 0.13% 1.3位
75 0.62% 6.2位
70 2.28% 22.8位
65 6.68% 66.8位
60 15.87% 158.7位
55 30.85% 308.5位
50 50.00% 500.0位
45 69.15% 691.5位
40 84.13% 841.3位
35 93.32% 933.2位
30 97.72% 977.2位

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「偏差値」を使うメリットは?

先生!今回の模試は、英語が90点、数学が70点でした!
数学は難しかったであまり点数が良くなかったのですが、英語で良い点数取れて嬉しいです!

よかったですね。
数学は難しかったかもしれないけど、偏差値を見てみて。

偏差値は…あれ、両方とも62.2です。

それなら、両方とも頑張ったと思って
大丈夫!

偏差値には、平均点が異なるテスト同士を比較できるという利点もあります。 上記の女子生徒は、英語と数学の得点は異なりますが、偏差値を計算するとどちらも同じ62.2となりました。
その理由は、それぞれの平均点が違うから。

受験者 英語 数学
Aさん 90点 70点
Bさん 80点 60点
Cさん 70点 50点
平均点 80点 60点
Aさんの偏差値 62.2 62.2

英語の平均点は80点なのに対し数学の平均点は60点と、英語より数学の方が難しかったので、偏差値はどちらも同じ数値となったのです。
このように、単に得点や順位の比較だけでなく、平均点の異なるテスト間の成績を比べることができるのも、偏差値ならではの特長なのです。

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「得点のばらつき」にも注目

テストの成績をより公平に判断するには、「平均点との差」だけでなく、試験を受けた集団全体の「得点のばらつき」も考える必要があります。
下の例は、英語と数学のテストを受けた5人の結果をまとめたものです。

受験者 英語 数学
Dさん 70点 70点
Eさん 36点 16点
Fさん 50点 38点
Gさん 64点 82点
Hさん 80点 94点
平均点 60点 60点
標準偏差 15.4 28.8
Dさんの偏差値 56.5 53.5

Dさんの英語と数学の得点はともに70点で、英語と数学の平均点はどちらも 60点と同じです。しかし、英語は5人の得点が平均点付近に集まっているのに対し、数学は5人の得点が大きくばらついています。

受験者全体の得点が平均点付近に密集しているテストの方が平均点から離れた得点を取りにくいので、平均点よりも高い点数を取ると偏差値は大きくなります。一方、得点が分散しているテストでは平均点から離れた得点を取りやすく、平均点以上の得点であっても偏差値はそれほど上がりません。


このようにテストの成績を公平に判断するためには、「平均点との差」と「得点のばらつき」の両方を考える必要があるのです。
ですから、Dさんの得点も全体の平均点も同じであるにも関わらず、英語と数学の偏差値に違いが生まれるのです。

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「標準偏差」とは?

「標準偏差」とは、データのばらつきの大きさを表す指標です。
偏差値とは、平均が50点・標準偏差が10点になるように調整したもので、得点が平均値の近くに集中していれば標準偏差は小さくなり、逆に平均から広がっていれば標準偏差は大きくなります。

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偏差値の注意点

偏差値は、「平均点との差」と「得点のばらつき」の両方を踏まえたうえで、自分がどの程度の位置にいるのかを表した数値ですが、テストを受けた人数が少ない場合は、利用する価値が低くなります。
また、同じ集団が受けたテスト結果を比較する場合には意味がありますが、集団が異なる場合は偏差値を使って直接結果を比べることができません。

例えば、全国規模の模試と校内テストの結果を比較した場合、テストを受けた集団の学力レベルや得点のばらつき具合が異なるので、公平に判断することができません。

偏差値で成績を比較する場合には、そのテストを受けた人数、どれくらいの学力レベルの人が受けるテストなのかを確認しておくことが大切です。

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偏差値を自分で計算するのはかなり大変

偏差値は、計算式を利用することで求めることができますが、実際に自分で計算するには、色々な条件を確認しなければならず、かなり大変です。

また、偏差値を求めるには個人の点数のほかに、全受験者の得点から割り出した「平均点」と「標準偏差」が必要です。
自分の得点だけでは偏差値を計算できないことを理解しておきましょう。

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偏差値を求める計算式

偏差値=10×(個人の得点―平均点)÷(標準偏差)+50
STEP01

平均点を求める

テストを受けた全員の得点を合計し、受験者数で割る。

STEP02

偏差を求めて2乗する

テストを受けた全員の偏差(得点から平均点を引いた値)を求めそれらをすべて2乗する。

STEP03

偏差の2乗の合計を受験者数で割り分散を求める

STEP02で求めた、偏差の2乗を全員分合計し、受験した人数で割ることで、「分散(偏差の2乗の平均値)」が求められる。

STEP04

分散の正の平方根を計算し「標準偏差」を求める

分散の正の平方根を計算して「標準偏差」が求められる。

STEP05

「平均との差」を「標準偏差」で割る

自分の点数から平均点を引いた値を、標準偏差で割る。

STEP06

「偏差値」を求める

STEP05で出た数値を10倍してから50を足すと偏差値が求められる。

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偏差値表でよく見かける「BF」とは?

「BF」とはボーダーフリー(Border Free)の略で、合否ラインの予測ができないことを意味しています。
このボーダーとは、合格する可能性が50%となる偏差値のボーダーラインのことを指すものですが、募集人員に対する受験者数や不合格者数があまりにも少ない大学では競争が起こりにくく、ボーダーラインを設定することができません。

ボーダーラインが決まっていないという意味で、偏差値の欄にボーダーフリー(BF)と表記されています。
また、偏差値BFの大学は名前さえ書ければ誰でも合格できると思っている人もいますが、必ずしも全員が合格しているわけではありません。

定員割れしている大学でも毎年数名が不合格になっているので、油断することなく勉強を進めましょう。

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