紫式部 源氏物語を誰でも簡単に読めるシリーズ 11(最終章)
匂の宮は二条院で会った浮舟が忘れられない。年が明け、浮舟から中の君に手紙が届いた。その文面から、薫が浮舟を宇治に隠れ住まわせていることを知った。匂の宮は、密かに宇治を訪れ薫を装って寝所に入る。浮舟は人違いと知って恐れおののくが、情熱的な匂の宮に惹かれていく。
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匂の宮は二条院で会った浮舟が忘れられない。年が明け、浮舟から中の君に手紙が届いた。その文面から、薫が浮舟を宇治に隠れ住まわせていることを知った。匂の宮は、密かに宇治を訪れ薫を装って寝所に入る。浮舟は人違いと知って恐れおののくが、情熱的な匂の宮に惹かれていく。
二月二十日過ぎ、薫から宇治の姫君の話を聞き、興味を持った匂の宮が宇治を訪れ、薫と供に管弦の遊びを催す。匂の宮からの手紙に八の宮は中の君に返事を書かせる。七月、死期が近いことを悟った八の宮は再び薫に姫君たちの後見を頼む。姫君たちに軽率な結婚への訓戒を残し、八の宮はこの世を去る。
年が明けたが源氏の悲しみは癒えず、蛍の宮以外とは会おうともしない。やがて夏が来て、秋が来たが、源氏は親しい女性たちと紫の上の思い出を語らい涙するだけだった。冬、源氏は出家を決意し、紫の上と交わした文を焼き、紫の上の死後、初めて人前に姿を表した。源氏は自分の人生が終わったことを悟る。
柏木は死を予感し、小侍従に女三の宮への手紙を託す。その晩、女三の宮は産気づき、男子(薫)を出産する。源氏の冷淡な態度に怯え、女三の宮は密かに下山していた父、朱雀院によって受戒し出家する。女三の宮の出家を知った柏木は重体に陥る。見舞いに訪れた夕霧に源氏へのとりなしと落葉の宮の行く末を託した後、柏木はこの世を去った。
玉鬘を強引に手に入れたのは髭黒の大将だった。源氏と冷泉帝は残念がるが、玉鬘は予定通り尚侍として出仕することとなった。有頂天の髭黒にくらべ、玉鬘は優雅な源氏や蛍の宮を思い嘆き悲しんだ。
暑い夏の日、源氏が夕霧と釣殿で涼をとっていると、内大臣家の若者たちが現れた。源氏は彼らから、内大臣が最近探し当てた外腹の子(近江の君)の出来が悪く困っていると聞くと、夕霧と雲居雁の件で気を悪くしていた源氏は内大臣を責める。
源氏はなおも朝顔の姫君に言い寄るが、姫君のかたくなな態度は変わらない。一方、祖母大宮の元で養育されていた源氏と葵の上の子、夕霧が十二歳となり元服した。源氏は勉学を身につけさせるために、六位という下級の官位に留めおいた。大宮も夕霧もその処置に不満であったが、発憤した夕霧は異例の早さで昇進した。
夫、伊予介の転任でともに東国へ下っていた空?は、任期が切れた夫とともに都へ帰る途中、石山寺を詣でる源氏と偶然出会う。かつての小君を通して源氏の消息を聞いた空?は後に源氏と文を交わす。夫の死後、義理の息子から言い寄られ困惑した空?は密かに出家する。
右大臣家の台頭、女性たちとのはかない関係から源氏は厭世を強めていく。そんな折、源氏は故桐壺帝の女御であった女性の邸を訪れる。女御の妹(花散里)と源氏はかつて宮中でほのかな関係があり、姉妹は源氏を頼りに暮らしていた。
源氏ははかなく消えた夕顔のことが忘れられない。そんな折、乳母子の大輔命婦から、故常陸宮の姫君(末摘花)のことを聞く。姫は荒れた邸で琴だけを友として暮らしているという。興味を持った源氏は、早速常陸宮邸を訪れ、琴の音を耳にする。
いつの時代のことだったか、帝の寵愛を一身に受けるさして身分の高くない更衣(桐壺更衣)がいた。父である大納言もすでに亡くし、格別の後見もないため、帝の一のきさきである弘徽殿女御をはじめとする後宮の女たちから嫉妬されながら、